04:のバス停


「はやくバス来るといいね」
 と停留所の屋根の下から空を見上げる遊戯の横顔を見つめながら「ほんとだよな」と答えたものの、おれはほんとうは雨も止まなくていいしバスもずっと来なくていいのにと考えていて、どんどん強くなる雨足にこっそり感謝すらしていたのだった。
 どしゃ降りな雨のカーテンに阻まれて、そばにはひとっこひとりいやしない。
 いるのは、心臓が破裂しそうに緊張したおれと濡れたズボンの裾を気にしている遊戯だけ。
 黙ったままのおれに気付いた遊戯が顔をあげて、首をかしげる。
 ―――城之内くん、どうかしたの?
 おれは深呼吸をして、ぐっと手を握りこむ。さあ、これが最後のチャンスだぞ。
 ・・・あのさあ、とおれはゆっくりと口を開く。
 ふしぎそうにおれを見つめる遊戯の肩に手を置いて、息を整えた。

 ・・・・・・あのさ、遊戯。おれ、おまえのことが、―――




たぶん城之内くんは学校にいる間からずっと告白しそこねていて、
帰り道でようやく二人っきりになれたんじゃないかと。
最初別の話を書いていたんですが、あんまりにもポエティックで恥ずかしくなったのでボツ。
といってもこれも相当恥ずかしいような気がしなくもない。
08.01.05(日記より)

これは物書きさんに20のお題(http://20odai.gozaru.jp/index.htm)より『銀』で書いたもの。
日記でお題更新しようかな!と思ってたんですが途中で力尽きたらし(ry
UP日:2008.04.21